PCM1804とAK5394の192ks録音データのFFT
こんばんは。
本件は、ホームページに書くかこのブログにするか迷ったのですが、時事問題に近い?ので
ブログにしました。
某所にアップされている、テキサスインスツルメンツのPCM1804で録音した192ks24bのデータ、
私の友人がFFTしたら高域にノイズの盛り上がりがあることを指摘してきました。
これはΣΔの特徴で、ノイズを高い周波数領域に追いやるので、それです。
これは、再生時にきちんとしたLPFが必要であることを示しています。
ですが無いに越したことはありません。
※注:肝心の右側が切れて見えています。マウス右クリックで「画像だけを表示」を選んでグラフを見てください!アップロードした画像がブログの幅に合っていないようです。すみません。そのうち機会があったら直します。※
これの50~60k以上にある盛り上がりです。
これをなんとか取り除けないか、と思いました。録音データにfc≒50kHz以上をカットする
ディジタルフィルタを掛ければ良いのですが、音楽編集ソフト、私の知る限り全てフィルタは
可聴周波数帯域しか対応していません。
そこで、Bias社のPeak6というMacの音楽編集ソフトが手元にありまして、
これに読み込んだ音楽ファイルのサンプリング周波数を変更する機能があることに着目
しました。変更というのは、周波数変換ではありません。たとえば、192ksのデータを
「これは48ksのデータである」という風に、定義部分だけ変更してしまう機能です。
これは、昔96ksのパイオニアのハイサンプリングDATで録音したデータをS/PDIFで
PCに読み込むと48ksでしか転送できなかった時に重宝した機能です。
サンプリング周波数の定義変更して48ksになったファイルを再生すると、
当然1/4の、昔テープコーダーを低速回転させたことがある人なら判る、ゆっくりとした
再生音になるのですね。
ま、それは余談、ようはこの48ksと定義された192ksのファイルに対して、12.5kHzで
フィルタソフトによりフィルタを掛けまして、再度サンプリング周波数定義を192ksに
戻してやることで超可聴周波数にたいするフィルタが実現できました。それが↓
-24dBくらい50kHz以上のノイズを低減できました。
業務用の超可聴周波数に対応したフィルタソフトでもあれば、簡単なのですがね。
あり合わせのソフトで対応した例のご紹介でした。
それと、私はAKM(旭化成マイクロシステム)のAK5394でも録音をやっているのですが、
こちらのFFTデータを以下に示します。曲が違うので音声帯域では全然違うスペクトラムです。
最初から超可聴周波数のノイズがありません!!
これは恐らくデシメーションフィルタがA/Dコンバータに入っていて取り除いているものと
思われます。
最新のテキサスインスツルメンツのA/Dでもある程度対処されているようです。
ということで、これからPCM1804で192ksの録音は、超高域処理をした方がよいのではないか?
と思います。逆AK5394での録音が楽ですね。
PCM1804は金田さんが使っているものですね。192ksでの収録データを再生するときには
少しこのことを心に留めておいた方が良いと思います。場合によってはツィータを痛めるかも
しれません。
なお、FFTに使用したソフトはMacのAudacityというソフトです。