kephyce 日々の記録

エレクトロニクスと音楽のお話

電流帰還型オペアンプをつかってトランスインピーダンスする

前回の記事で図を見た友人が
友人「最後の回路図、別府式やSATRIアンプににてね?」
私「どこがや?」
友人「マイナス入力のところや」
私「あ、そーか、だったら電流帰還型オペアンプといっしょやんけ」

ってな会話が昨日から今日にかけてありました。

そう、カレントバッファとI/V(トランスインピーダンス)が合体したアンプがあったわけです!

つまり、電流帰還型オペアンプ。これでI/V変換のシミュレーションをやってみました。
これらのアンプは、マイナス入力のインピーダンスが極めて低く作ってあります。したがって、入力にぶら下がるケーブルをドライブできてしまう可能性があります。
通常の電圧帰還アンプですと、I/Vの入力端子は、アンプの出力が帰還抵抗Rfを通して帰還がかかることで入力端子のインピーダンスを下げているので、Rfと入力端子にぶら下がるCでポールができあがります。これが高域ピークの原因。(位相補正するには、RfとのポールなのでRfにパラにCを入れるのが最も効果的ですが、Rfを可変する金田式では有効な対策では無くなってしまいます。)
一方、電流帰還アンプですと、入力のインピーダンスは、それ自体が低いので、入力にぶら下がるCを入力端子の低インピーダンスでドライブしてくれる。

詳細は省いて最終結果のみ(いつものことですが)。
電圧帰還代表:LF356と電流帰還代表:AD8011について、AC解析の比較です。
帰還抵抗Rfは両方とも20kと大きな値。電流帰還アンプは、特性上、帰還抵抗の値がこのくらいがよい、という目安がありまして、AD8011の場合は500〜1kΩのようですが、それを遙かに上回るトランスインピーダンスです。いろいろやってみまして、これでもちゃんとシミュレーション上はうまくいきました。
ケーブル長は、1,10,100,250mです。あと、ケーブルの反射の影響をなくすために受け側だけ直列に75Ω入っています。ケーブルは今回は2497じゃないですが、大体同じ75Ω系なので一緒です。

まずはLF356。

シミュレーション回路図


シミュレーション結果。
上がトランスインピーダンスのdB表記です。下は位相回転。
うーん、まぁ、うまく位相調整すれば100mまで行けるんじゃ無いでしょうか(笑)。

次にAD8011。

シミュレーション回路図


シミュレーション結果。
どうよ、このケーブル長による変化の少なさは。やったね\(^O^)/。
シミュレーション上では(と言う条件付きで)、まったく調整無しで250m、いけますってば。

と、いろいろ考えていたら、こんなおもしろいI/V変換の特性をみつけてしまいました。
仕事にも流用できそうです。


金田さん、電流帰還のI/Vパワーアンプ、作らないですかね。いいですよ〜〜〜っ。

12.04.04
kontonさん、具現化が早い。